2022年8月から出前館の配達員用アプリが大きく変わりました。
システム的にはmenuやウーバーイーツのアプリへ近づいたと言われています。
他社と掛け持ちしている人は、出前館の新アプリに馴染みやすいかもしれません。
新アプリになってから稼げないというベテラン勢の声もありますが、全体的には稼ぎやすくなったと感じている人が多いようです。
料金体系やオーダーの受け取り方など、旧アプリと新アプリの変更点をまとめてみます。
出前館配達員の新アプリの変更点
7月から転換が始まった出前館の配達員用新アプリが、8月1日を以って全国展開となりました。
出前館の旧アプリは非常に特徴的でしたが、新アプリはフードデリバリー他社、特にmenuのアプリに近くなったと言われています。
では実際に、出前館の新アプリはどんな風に変わったのでしょうか。
出前館の旧アプリから新アプリへの大きな変更点は以下の9つです。
① 報酬システム(料金体系)
② 早押しから自動差配へ
③ ヒートマップ
④ アカウント1つで全国どこでも配達可能
⑤ 配達件数・報酬金額の表示
⑥ 2件持ちまで
⑦ 料理の予定時刻表示
⑧ 現金ON・OFFがアプリから切り替え可能
⑨ 自動で業務終了
報酬システム(料金体系)
出前館の配達員用新アプリで大きく変わった点が、まず料金体系です。
旧アプリでは配達の距離に関わらず1件ごとの報酬が一律に定められていました。
そのため長距離の配達に対する不公平感が拭えませんでした。
新アプリでは距離別委託料が採用されています。
距離別委託料とは基礎報酬に距離報酬がプラスされたものです。
ブースト発生時は、距離別委託料にブーストがかかることになりました。
以下の表の通り、料金体系は「東京・神奈川・千葉・埼玉」とそれ以外の地域によって異なります。
「東京・神奈川・千葉・埼玉」の料金
店舗からお届け先の距離 | 料金(新) | 料金(旧) |
1km未満 | 600円 | 715円 |
1km~2km未満 | 660円 | 715円 |
2km~3km未満 | 750円 | 715円 |
3km以上 | 870円 | 715円 |
「東京・神奈川・千葉・埼玉」以外の料金
店舗からお届け先の距離 | 料金(新) | 料金(旧) |
1km未満 | 550円 | 660円 |
1km~2km未満 | 600円 | 660円 |
2km~3km未満 | 670円 | 660円 |
3km以上 | 770円 | 660円 |
2キロ未満の配達では1件当たり最大115円の減額となりますが、2キロ以上は報酬が高いので、全体的に見ると旧アプリと同等またはそれ以上に稼げるのではないでしょうか。
早押しから自動差配へ
従来出前館のアプリでは、非常に特徴的な早押し制度が採用されていました。
掲示された配達依頼の一覧から、配達員自身が依頼を選び配達を請け負うシステムです。
好条件の配達は瞬時に決まってしまうことから、早押しが必須でした。
新アプリではこのシステムが廃止され、他社と同じ自動差配となりました。
注文が入るとAIが自動的に該当店舗に近い距離で待機している配達員を選び、配達依頼を送るシステムです。
配達員は45秒の間に配達の内容を確認し、受託もしくは拒否の判断を下します。
ただしこの配達依頼は複数の配達員に送られるため、条件の良い依頼は、やはり早押ししないと他の配達員に取られてしまうことがあるようです。
自動差配となり、早押しに慣れていないがために受注数を増やすことができなかった新規配達員も、配達依頼を受けやすくなりました。
早押しが廃止された大きなメリットです。出前館も自動差配となったことで、新規配達員が定着することを期待しているでしょう。
一方、旧アプリでは自分の判断で効率よく組み合わせ受注が可能だった熟練勢にとっては、自動差配へのシステム変更は大きなデメリットとなっています。
ヒートマップ
新アプリでは、待機画面に近隣地域のヒートマップが表示されるようになりました。
ウーバーイーツと同じように、注文数の多い場所や配達員が不足している地域が表示されます。
通常は緑ですが、配達員の需要度の高まりによって黄色からオレンジ、そして赤へとマップの色が変わる仕組みです。
ただし出前館のヒートマップはリアルタイムの注文が反映されるわけではなく、過去の注文データに基づいた予測になっています。
マップの色が赤でも、実際に注文数が増え配達員が不足しているとは限らないようです。
またヒートマップは、配達員の需要がある地域を視覚的に確認できるようにしたもので、追加報酬などインセンティブの発生を表示するものではありません。
それでもヒートマップを参考にすることで、効率よく稼働できるようになったと言えるでしょう。
アカウント1つで全国どこでも配達可能
旧アプリでは、出前館のアカウントは地域ごとの拠点に紐付けされていました。
そのため複数の地域で稼働する場合には、複数の拠点に登録する必要がありIDの管理が煩雑でした。
新アプリではIDが統一され、登録した拠点のエリア外でも稼働することができます。
ヒートマップを確認して需要の高そうな地域へ向かったり、ブーストの発生している地域で稼働したりと効率良く稼げるようになりました。
ウーバーイーツの配達員と同じように、日本各地を旅しながらの稼働も可能になったということです。
配達件数・報酬金額の表示
新アプリの待機画面にはヒートマップと共に、その日の配達件数と報酬金額が表示されます。
今日は何件配達していくら稼いだか、一目瞭然となりました。
ここに表示される報酬にはインセンティブが含まれていないので、正確な金額は精算書を確認する必要はありますが目安になります。
これは稼働日当日のみの表示で、翌日は報酬金額は確認できない仕様です。
精算書には1日ごとの報酬額の記載がないので、必要な場合は当日中にその日の報酬総額を控えておくと良いでしょう。
2件持ちまで
新アプリでオーダーは自動差配となりましたが、1件づつではなく配達中に追加で配達依頼が入ることもあります。
オーダーの複数持ちは、旧アプリは最大3件、新アプリは最大2件と変更になりました。
ダブルと言われる同時配達の依頼を受けることで、さらに稼ぐチャンスが広がります。
ただし2件持ちになった場合、指定通りの順番でそれぞれの場所に向かわなければなりません。
自分自身で判断して効率良く回ることができないので、最悪行ったり来たりという案件も発生します。
料理の予定時刻表示
新アプリで評価の高い変更が、ゴングの廃止です。レストラン到着10分前に連絡するゴングは、移動中に面倒な一手間でした。
新アプリでは、オーダーが入るとまずレストランに連絡され、続いて配達員に依頼が送られるようになりました。
配達員が依頼を受けると、アプリ上に料理ができあるまでの時間が表示されます。
料理ができると商品の準備ができた旨の通知が入りますが、表示された予定時刻より早めに用意されることが多いようです。
現金ON・OFFがアプリから切り替え可能
出前館では現金決済(代引き)の依頼を受けるかどうか、配達員自身で選ぶことができます。
旧アプリでは、現金決済のON・OFFの切り替えは拠点に電話連絡し、担当者に変更してもらう必要がありました。
新アプリではアプリ上の配達設定から切り替えが可能です。
例えば現金決済が続き釣り銭用の小銭が足りなくなったような場合、すぐにOFFにすることもできます。
新アプリのシステムで、現金決済の依頼を受けるハードルが格段に低くなりました。
自動で業務終了
新アプリではオーダーの一覧表示がなくなり、AIによる自動差配で配達依頼が届くようになりました。
送られてきた依頼を受託するかどうかは配達員の選択です。ただし3回連続拒否で業務終了となります。
移動中などで依頼に気がつかず応答できなかった場合でも、拒否と判断されるので注意が必要です。
ペナルティというわけではなく、自動で業務終了となった場合でも、すぐに業務の再開はできます。
気がつかないうちに業務終了になっていたということのないよう気をつけてください。
出前館配達員の新アプリは配達手順
新アプリに変わってからの、出前館配達員の配達手順を流れに沿って確認してみましょう。
まずアプリを起動します。この時、必ず位置情報もオンにしてください。位置情報がオフになっていると配達依頼が送られてきません。
配達依頼が届いたらすぐに確認して、問題がなければ受託しましょう。依頼は3人程度の配達員に送られるので、良い案件は早押しが必要になります。
店舗に到着したら「店舗到着」をスワイプ。受付番号を伝えて商品を受け取り、「受け取り完了」をタップします。
お届け先の詳細が表示されるので、お客様へ商品をお届けして「配達完了」をスワイプすると1件終了です。
業務を終える場合は「業務終了」をタップしてアプリを閉じてください。
出前館配達員の新アプリは稼げない?
出前館の配達員の間には、「新アプリになってから稼げない」といった声も聞かれます。
早押しで配達を受注し複数件持ちで稼いでいた配達員は、確かに新アプリで稼ぎにくくなったかもしれません。
一方旧アプリではうまく受注できなかった配達員にとって、新アプリの自動差配は大きく改善されたシステムだと言えます。
早押し制度が廃止となったため、新しく始めた配達員でも公平に配達依頼を受けることができるようになりました。
新アプリではマイページからアプリに対する意見も送れるようになったので、気づいたことは積極的にフィードバックしましょう。
熟練の配達員と新規の配達員、双方の意見を参考にして、出前館のアプリがさらに改善されることも期待できます。
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