矢野さん

矢野直明さん

9月4日午後6時半から早稲田大学26号館302号室で、サイバーリテラシー研究所代表の矢野直明さん(朝日新聞社OB、明治大学客員教授、サイバー大学教授など歴任)においでいただき、開催しました。出席者は22人でした。

矢野さんは1966年朝日新聞社に入社、編集局・出版局・総合研究本部に勤務さ れ、出版局時代の88年に『朝日パソコン』の出版を立案、初代編集長を務められました。その後出版局を中心にデジタルメディアの研究、企画、実践に関わられ、95年にはおそらく日本の大手メディアでは初めてとなる、インターネット情報コンテンツ『DOORS』を創刊されました。日本のデジタルメディアの立ち上げ者の1 人といえます。

矢野さんはそうした立場、経歴から、現代を「総メディア社会」と位置づけ、イン ターネットメディアがもたらしている「光と影」について、総括的に考察されました。

特に現代ではSNSの断片的・短絡的な側面が社会に大きな影を落とし、ジャーナリズムにいくつもの課題を投げかけていること、そのジャーナリズムに一つの可能性を与えるのは、「ジャーナリズムをIT技術でいかに実現するか」 という決意に基づいた「技術開発力+編集能力+ジャーナリズムの志」。特に、高い編集能力によるジャーナリズム・プラットホームの樹立の必要性を訴えられました。

そのお話を受けての質疑応答・意見交換では、下村健一さんから、矢野さんが指 摘された「ジャーナリズムを担う気概の衰退」と「総メディア化」の関係、 「プリントメディアにはできないジャーナリズム」について突っ込んだ質問が出 されたのをはじめ、出席者からジャーナリズム・プラットホームの具体像、その根底にある「ジャーナリズム」とは何か、などをめぐって質問や意見が多数出され、活発な会となりました。

約2時間の例会の後、場所を「高田牧舎」に移し、14人が矢野さんを囲んで議論 と懇親を深めました。

【出席者】井坂公明(時事通信社)、石渡正人(手塚プロ)、稲垣太郎(朝日新聞社、早稲 田大学)、逢坂巌(立教大学)、柿崎元子(エデルマンジャパン)、加藤孔昭 (メディア文化研究所)、川村晃司(テレビ朝日)、下村健一(慶応大学)、鈴木祐司(次世代メディア研究所)、高久陽男(朝日新聞OB)、高比良美穂(ニューメディア研究所シンキング)、田幸大輔(博報堂)、中田彰生(早稲田大学メディア文化研究所)、根本正一(日経新聞社)、橋場義之(ジャーナリズム研究者)、林秀一(電通)、坂東塁(楽天)、松井正(読売新聞社)、松浦康彦(朝日新聞社OB)、森治郎(早稲田大学メディア文化研 究所)、山口実(日本フォーム印刷工業連合会)、若染雄太(ニューメディア研究所シンキング)

なお例会の席で、会メンバーの稲垣太郎さんに新しく幹事に加わっていただけるようお願いし、了解を得たとの報告がありました。今後は森(座長兼任)、稲 垣、河村、中田の4人が幹事として運営に当たらせていただきます。よろしくお 願いいたします。