<4>アグリゲーションがファンを集める…NTTドコモ コンシューマビジネス推進部書籍ビジネス担当・佐々木啓悦さん

■人気雑誌250誌、1600冊以上が読み放題

dマガジンのサービスを解説する佐々木啓悦さん

dマガジンのサービスを解説する佐々木啓悦さん

 dマガジンの概要。2014年6月にサービス開始。多彩なジャンルの人気雑誌250誌以上の最新号・バックナンバー合わせて1600冊以上を読むことができる「電子雑誌読み放題サービス」(2020年1月時点では、400誌1700冊以上に拡大)。月額400円。初回31日間は無料で、ドコモ以外のユーザーも利用可能だ。

スクリーンショット 2019-12-22 21.18.47 ジャンルは、「総合週刊誌」「女性ファッション」「女性ライフスタイル」「お出かけ・グルメ」「料理・暮らし・健康」「スポーツ・車」「エンタメ・趣味」「ビジネス・IT・国際」「男性ファッション」「男性ライフスタイル」の10種類。女性はファッション誌が多く読まれているが、男性は幅広いジャンルの雑誌を読んでいる傾向がある。

 dマガジンに掲載される誌面は、元の雑誌のすべてではない。ただ、その掲載ページ比率(dマガジン/紙の雑誌)は、開始当初の2014年は約50%だったが、今は80%以上まで増えている。理由としては、「dマガジンに出しても紙の販売に悪影響がそれほどない」と考える媒体が増えたからだ。

スクリーンショット 2019-12-22 21.19.02■魅力的なコンテンツ、デジタルならではの見せ方で


 ユーザーの属性は男性57%、女性43%。40代(24%)がもっとも多く、50代(20%)、30代(18%)と続く。年齢はやや高めと言える。理由としては、ドコモのユーザーが比較的年齢高めであることと、雑誌の誌面を読むことに慣れている世代ということが考えられる。

スクリーンショット 2019-12-22 21.19.46 デバイスはスマホ63%、タブレット33%、PC5%。端末の販売ベースだと、タブレットは10%程度なので、それに比べるとだいぶ高い。タブレットと雑誌コンテンツの親和性の高さが現れており、タブレットユーザーは利用頻度が高く、継続期間も長い。

 dマガジンの月あたりの閲覧雑誌冊数は数十冊に及ぶ。これだけの数の雑誌を買っている人は少ないだろう。定額で使い放題というサブスクならではの数字だと言える。

 利用時間帯は、スマホの一般的な傾向とほぼ同じである。通勤時間帯や昼休みに読んでいる人が多い。ただ、もっとも読まれているのは 22時、23時の就寝前。ベッドでゴロゴロしながら読む人や、防水機能付きのスマホでお風呂で読む人もいる。リラックスタイムに読まれているのは雑誌コンテンツならではの傾向だろう。

 dマガジンの成功要因は3つ。(1)魅力的なコンテンツのアグリゲーション (2)デジタルならではの読み方の提案 (3)キャリアであるドコモのアセットの活用。

スクリーンショット 2019-12-22 21.36.50(1)魅力的なコンテンツのアグリゲーション
・コンビニの雑誌コーナーに並んでいるような人気雑誌を250誌以上集め、月額400円というリーズナブルな価格で読み放題にしている。
・dマガジンには3つのプレイヤーが関与。コンテンツ制作は「出版社(60社以上)」、コンテンツ契約はビューアーの開発・運用は「ブックウォーカー(角川子会社)」、サービスの提供・課金は「ドコモ」。収益もこの3者で分配している。
・出版社への収益分配は、雑誌の閲覧割合に応じて配分する。したがって、できるだけ魅力的なページを多く掲載したほうが収益が伸びる。結果的に、dマガジンへの掲載比率が上がる仕組み。

(2)デジタルならではの読み方の提案
・多くのユーザーは、雑誌指名で記事を読んでいるが、旬な話題についてはテーマを設定して雑誌横断で記事を読めるようにしている。また、検索で記事を読めるようにもしている。
・デジタルならではのUI/UXとして、ダブルタップすると、雑誌の原寸大にズームアップする機能もある。

佐々木タテ2(3)キャリアドコモのアセットの活用
・通信キャリアとして保有している顧客情報と決済手段を生かし、dマガジンの販売を促進。ドコモユーザーについては、あらかじめ決済手段があるのが大きい。
・ドコモショップでの対面販売も活用。以前は無料期間があるため幅広くdマガジンの加入を勧めていたが、現在はユーザーの利用意向を確認し、継続的に利用してただけるお客さまにのみサービスをお勧めしている。

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