<3>ジャーナリズムをデジタルで売るには?…朝日新聞「論座」編集長・吉田貴文さん

◆2010年のスタート時から記事を月額課金

論座の課金モデルを解説する吉田貴文さん

論座の課金モデルを解説する吉田貴文さん

 「論座」は2008年に休刊した同名の月刊誌に源流をもつウェブメディア。2010年に言論サイト「WEBRONZA」としてオープン。2019年4月に「論座」に名前を変えた。 

スクリーンショット 2019-12-22 18.32.03 特徴は広告モデルではなく、有料記事を売る「課金モデル」で運営されていること。「政治・国際」「経済・雇用」「社会・スポーツ」「科学・環境」「文化・エンタメ」の5ジャンルがすべて読める「全ジャンルパック」が月額700円。個別ジャンルが月額250円。全ジャンルだと、過去記事も含め約1万3000本の記事がすべて読める。

スクリーンショット 2019-12-22 18.52.13 読者層はジャンルによって違う。政治や経済は40〜60代の男性が多いが、社会・スポーツは40〜50代の女性が多い。特にフィギュアスケートは女性に人気がある。文化も女性が多い。全体としては男性のほうが多いが、女性もそれなりにいる。

◆運営方針を「テーマ」から「アトランダム」へ大転換


 会員数は現在1万人弱。開始以来、右肩上がりを続けている。個別ジャンルの会員もいるが、全ジャンルパックの会員が過半数を占める。

スクリーンショット 2019-12-22 18.31.49 私が編集長に就任したのは2018年4月。半年後に運営方式を「テーマ方式」から「アトランダム方式」へ大きく変えた。それまでは編集部が注目テーマを設定して、それに関する記事をピックアップしていたが、昨年8月からは、そのときどきのニュースに応じてアトランダムに論考をアップするようにした。理由はスピード重視。現在の世論形成はネットの影響で、非常にサイクルが速い。それに対応するため。

スクリーンショット 2019-12-22 18.32.23 サイト開設から9年で、記事の読まれ方が大きく変化した。デバイスは、パソコンからスマホへ。時間帯は、平日の昼休み中心から日中全般(夜中以外)へ。曜日は、休日も読まれるようになった。

吉田タテ スピード重視のアトランダム方式にした結果、PVが伸びた。さらに、2019年4月からスマートニュースへの外部配信を開始し、PVが急増した。8月からLINEニュースとlivedoorニュースにも配信を始めたので、さらなるPV増が見込まれる。これまでの実績からは、スマートニュースとの相性が良い。どうやら読者層が近いらしい。

 広告モデルではないのに、なぜPVを追求するのか。PVが上がれば知名度が上がり、会員も増える。外部プラットフォームとの連携で多少の広告料も入る。PVが上がると、ライターのモチベーションも高まるからだ。

スクリーンショット 2019-12-22 18.36.37スクリーンショット 2019-12-22 18.36.06<4>アグリゲーションがファンを集める…NTTドコモ コンシューマビジネス推進部書籍ビジネス担当・佐々木啓悦さん