10月23日に開催されたメディアの将来像を考える会例会のご報告です。

椎名達人さん

新興メディアの経営状況について説明する椎名さん

同日は午後6時半から早稲田大学3号館703号室で、株式会社メディア開発綜研取締役の椎名達人(たつひと)さんにおいでいただき開催しました。出席メンバーは24人でした。3号館の本格使用は本年4月からで、メディアの将来像を考える会の会場としては初めての使用でした。

椎名さんは国際通信経済研究所を経て現職につき、主としてマスメディア、ICT、メディアコンテンツ関連の調査研究やコンサルティングに従事してこられました。また長い間、『情報メディア白書』(電通総研編集、ダイヤモンド社発行)の編集にも関わってきました。

そうした経歴・経験から、メディア全体に豊富な知見とデータをお持ちですが、この日は特に「新興ITメディア、特にSNS事業(者)の興亡と経営状況」に絞ってお話しいただきました。 椎名さんはまず、ITメディアを「機能」「コンテンツ」「(既存メディア系、ネットネイティブ系など)IT事業主の“出自”」などの側面から分類し、その中でのSNS事業が占める位置の大きさを指摘。SNS成長の背景や、それを支えるユーザーと事業者の動向について詳しく説明しました。

そこから、個々の事業者の消長について詳しく分析し、大勝のLINE、安定のFacebookとTwitter、そして現時点では負け組となっているmixi、Mobage、Greeの事業態様を説明。勝ち組が抱える「安心できないファクター」、負け組が「復活しうる芽」に言及しました。 そして最後に、ここ数年のSNS事業消長の鍵を握ってきたのがスマートフォン&タブレットのゲーム市場であり、その流れに乗り切れたかどうかが「運命」の大きな分かれ道であったことを指摘し、IT企業、SNS事業であるからといって、必ずしも全体的な「成功」が保証されてはいないことを力説されました。

椎名さん講演風景お話を受けての質疑応答・意見交換では、口火役の黒澤勇さん(共同通信デジタル)をはじめ多くの方から、「これから光ってくるSNS事業あるいはSNS企業はどこか」「SNSの可能性をさらに高めるような新しいデバイス開発の展望はどうか」「SNSでの本格的ニュース発信や課金の可能性」「人材の育成法」「最近見てきた海外企業の事情」などについて、質問や意見が出されました。

約2時間の例会の後、場を近くのレストランに移し、椎名さんを囲んで13人のメンバーが、議論の延長戦+懇親を深めました。

【出席者】24人 井坂公明(時事通信社)、稲垣太郎(朝日新聞社、早稲田大学)、柿崎元子(エデルマンジャパン)、加藤孔昭(早稲田大学メディア文化研究所)、金沢浩明(日経新聞社)、久保まり子(日本生活情報師協会)、黒澤勇(共同通信デジタル)、鈴木祐司(次世代メディア研究所代表)、瀬川至朗(早稲田大学)、高久陽男(朝日新聞OB)、竹之内満(毎日新聞社)、長茂男(下野新聞社東京支社)、中北宏八(朝日新聞社OB)、中田彰生(早稲田大学メディア文化研究所)、橋場義之(毎日新聞社OB)、林秀一(電通)、坂東塁(楽天株式会社)、松井正(読売新聞社)、三上義一(目白大学)、水野泰志(東京新聞)、望月義人(玉川大学)、森治郎(早稲田大学メディア文化研究所)、山崎敬子(日本ペンクラブ)、若染雄太(ニューメディア研究所シンキング)。

以上ご報告します。(幹事)